木下医師インタビュー
ためらわずに早めの受診を
おすすめします。
尿路系の疾患を対象に、多方面からの治療を行っています
泌尿器科の対象になるのは尿路系に関わる疾患で、その数はたくさんあります。
このうち外来で臨床的によく見ることができるのは、前立腺肥大、頻尿、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石)、性感染症、血尿、尿路系の腫瘍(腎がん、腎盂がん、尿路がん、膀胱がん)、ED(勃起障害)、CKD(慢性腎疾患)です。それらの疾患の診断と治療をしているのが、泌尿器科になります。
泌尿器科で普段どういう治療をしているかイメージがわかないと思いますが、小手術、内視鏡手術、開腹手術(腎臓摘出、膀胱全摘出)、腹腔鏡手術、ダビンチ手術など、様々な外科的手術を行います。頻度は多くありませんが、腸を切除する大きな開腹手術もあります。
また膀胱炎、腎盂腎炎の治療などの薬物治療に加えて、前立腺がんのホルモン療法や尿路上皮腫瘍、精巣腫瘍などの化学療法、さらに末期腎不全の維持透析療法に携わるなど、内科治療を行います。このように泌尿器科の治療には内科的な面と、外科的な面との両方があります。
高齢化社会で増える前立腺疾患の患者さまを救おうと、泌尿器科を選択
私は関西の出身ですが地震に被災後、東京大学の救急部で研修をしました。その後、泌尿器科の医局に入り研修後、東京逓信病院や東京警察病院や教職員の病院など、さまざまな職域病院で研修を重ねてきました。
自分で医師を目指した理由ですが、父が内科の開業医でしたので、週末や夜中でも体調に不安を感じる患者様から電話がかかってくることがよくありました。どんな時でも患者さんからの電話に親身に対応している父の背中を見て、自分も医師になろうと考えていました。
学生のころに祖父がネフローゼを患い腎不全で亡くした経験があり、同じような患者様を一人でも減らそうと考えて、泌尿器科や腎臓内科の医師を目指しました。科を先行する段階で、現在の高齢化社会において、前立腺肥大や前立腺がんの患者さんがどんどん増えていく現実を考え、病気で困っている患者さんを一人でも少なくできると考えて最終的に泌尿器科を選択しました。
「名医よりも良医に」をモットーに、患者様にとっての「最善」を考えます
一昨年、亡くなった父の座右の銘でもあった「名医になるよりも良医になりたい」を目標に普段から医療にたずさわりたいと思っています。
患者様は皆さん、不安をたくさん抱えて来院されていることだと思います。その不安を解消するべく、日々の診察でなるべく丁寧な説明をするように心掛けています。手術が必要な方にはいろいろなケースを説明し、希望される方法を一緒に考え、決して一つの治療法を無理やりすすめないように考えています。
自分もメスを握る外科医の一人として、たくさんの症例を手術することが目標でした。しかし現在は、患者様の病状に合った最適で、かつ患者様が希望される治療方法を選択しようと考えています。例えば経験数が少ない症例は、患者様の希望があれば経験の多い他の医療機関に紹介するなど、患者様にとって最善となる道を第一と考えることにしています。
患者様に寄り添える医療をこれからも続けていきます
印象に残る患者さんは、腎臓がんで腎臓を摘出された会社役員の方です。その頃、私は研修医で時間に余裕があったのか、その患者さんの入院中、毎日2時間以上、ベッドサイドで病気のことに限らず、生活や人生のことをお話し、色々教えていただいていました。その患者さんとは今でも年賀状のやり取りをしています。
このように常に患者様の目線で分かりやすく説明し、丁寧な診療と患者様に寄り添える医療をこれからも続けていきたいと考えています。
茅ヶ崎徳洲会病院だからできる治療やスタッフも自慢です
茅ヶ崎徳洲会病院は新しいので施設がきれいです。そのうえ、スタッフが患者様のお話をよく聞けることや、治療の自由度がきくことが当院の自慢です。さらに、この規模と開院後この年数で最新のロボット支援手術を選択できることは、必ず患者様のためになると考えています。
当院の泌尿器科は前立腺肥大、頻尿(過活動性膀胱)、夜間頻尿、尿路結石、尿路感染症、性感染症、ED、尿路悪性腫瘍などについて診断治療を行っています。
ご自分の身体や病状に少しでも不安があれば我慢なさらず、いつでも思い立った時に外来を受診してください。平日はもちろん土曜日も連日、外来、診療しています。私も木曜日以外は毎日、午前中に診察しています。
当院のスタッフが協力して不安の解消に努めます
泌尿器科を受診される方は、診察内容がよくわからず、相談しにくいのではないかと受診のハードルが高く、ためらわれる方も多いと思います。でも、不安や問題が一つずつ解消すれば、安心して毎日を過ごせると思います。困ったことに対して病院スタッフが協力して、ご相談し、解決していきます。どうぞお気軽に受診してください。
プロフィールProfile
診療科 | 泌尿器科 |
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所属学会 | 日本泌尿器科学会専門医、指導医、ロボット手術プロクター(指導医) |